キャリアについて考える時、無意識に「キャリアアップ」という言葉を使っていました。

ですが、使えば使うほど、違和感を感じるようになっていきました。

それは、セミナーや講座などのタイトルで「キャリアアップ」をテーマにと言われたことがきっかけでした。

言葉が曖昧なまま、内容を考えようと思っても、作れないんですよ、セミナーが(笑)

大辞林によるとキャリアアップの意味は

〔和 career+up〕
① より高い専門的知識や能力を身につけること。経歴を高くすること。
② 高い地位や高給職への転職。

とあります。

その反対の言葉であるキャリアダウンの意味は

[名](スル)《〈和〉career+down》

現在より低い地位の仕事につくこと。

とあります。

もちろん、より高いスキルや地位などは「アップ」でしょうし、転職などで役職を失えば「ダウン」なのですが、それは外側から見た指標やスケールであって、本人の中に費やした時間や培ってきた経験、つながりは残るわけですから、上下という意味では自分の中のキャリアが上がるものでも下がるものでもないと私は考えます。

身に着いたものは失うことはありませんし、時間や経験の積み重ねによって形成されたものや仲間、知識など、得たものにフォーカスすると、アップやダウンという言葉は便宜上使ったとしても、本来のキャリア=人生という広義の意味でとらえた時には、上がったり下がったりという言い方はそぐわないのではないかと思うからです。

※もちろん、ネガティブな経験(例えばブラックな働き方)は、ダウンというように言いたくなるかもしれませんが、それによって自分は何を考えたのか?振り返り、棚卸して、未来に活かせば良いですよね。
ただメンタル不調や病気などの場合は違う話になります。

同じようにスキルアップは

腕前を上げること。技術力を高めること。「スキルアップを図る」

と大辞林には書いてあります。

スキルダウンは、この反対の意味だとすると、腕前が落ちること、技術力が高められないこと(下がること)。

でも、ここにも違和感を感じたのです。

スキルって単なる技術的なことだけではないのではないかと。

言葉の定義が辞書の意味とリンクしていないから生まれる違和感が「キャリア」という言葉の周辺にはあるような気がしています。

スキルアップとキャリアアップをごちゃ混ぜにしている

私自身が感じる違和感を突き詰めてみると、スキルというのは、技術だけでなく、心理的なこと、資格や経験なども含まれると考えるからで腕が落ちたという自覚や他者の評価以外の経験や学習の蓄積はあるから、一概に言えないのではと考えていたのです。
(スキルダウンという意味の中に学んだのに忘れてしまうということはあるかもしれませんが)

もうひとつの理由として、一般的に使われている言葉としての「スキルアップ」と「キャリアップ」は混同されて使われていることが多いのではないかということもなんとなく見えてきたのです。

日本ではまだキャリアについての理論や定義づけは新しく、厚労省の定義だけでなく、色々な使われ方がされる曖昧な言葉です。

だからこそ生まれるモヤモヤもあるのですが、ここで結論が出るものでもありません。

例えば、バリバリ働いてきた女性が、セラピストを目指して学び、準備を整えて退職し、サロンをオープンしたとします。
これは外から見たらキャリアダウンかもしれません。
「なんでやめちゃうの?安定していたのに、もったいない」
と周りから言われるかもしれません。

ですが、本人にとっては、これまでの経験を踏まえて新しいキャリアへシフトしようとしているのですから、ダウンではなく、チェンジやシフトと言った言葉に置き換えることが出来るとも言えます。

キャリアアップ・ダウンについては、もう少し情報を集めたり、色々な考え方に触れたりしながら考察を深めていきたいと思っています。

 

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